知ってるようで知らない?祝日と祭日の違い
更新日:2025年9月15日 10:50
目次
カレンダーを眺めていると、赤文字で「祝日」と書かれた日をよく目にします。
一方で、昔の資料や会話の中で「祭日」という言葉を耳にすることもあります。
実は「祝日」と「祭日」、同じように見えても意味は異なります。
ここではその違いを整理しながら、現代のカレンダーにどうつながっているのかを解説していきます。
「祝日」とは?
祝日とは、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によって定められている日を指します。
国民全員が共有できる記念日であり、その目的は「国民が豊かな生活を営むために、意義を振り返り、お祝いすること」とされています。
代表的な祝日は、「成人の日(1月第2月曜日)」や「憲法記念日(5月3日)」があります。
「祭日」とは?
一方の「祭日」は、かつて「皇室祭祀令」によって定められていた、皇室の祭典にまつわる日を意味します。
これらは本来、皇室の祖先や五穀豊穣を祈るために行われていた祭典です。
戦前のカレンダーには「祭日」として記載され、学校や官公庁も休みになることがありました。
代表的な祭日は、「新嘗祭(11月23日)」や「神嘗祭(10月17日)」があります。
戦後に「祭日」は消え、「祝日」に一本化
1947年に日本国憲法が施行され、皇室の行事と国民の休日は切り離されました。
これにより「祭日」という区分は廃止され、国民が休める日は「祝日」として統一されたのです。
しかし、元々祭日だった日が「祝日」に形を変えて残っているケースもあります。
「紀元節」→「建国記念の日」、「明治節」→「文化の日」
このように、現在の祝日の中には祭日の精神を引き継いでいるものが存在します。
「祝日」と「祭日」を整理すると…
祝日
→国民全体が記念・お祝いをするため、法律で定められた日。現在のカレンダーに赤文字で表記。
祭日
→ 皇室の祭祀に由来する日。戦後に制度上は廃止されたが、一部は「祝日」として名を変えて存続。
どちらもルーツは異なりますが、自然や歴史、伝統を大切にし、心をひとつにする日という点では共通しています。
まとめ
「祝日」と「祭日」は似ているようで違う言葉です。
現代のカレンダーに載っているのは「祝日」だけですが、その背景には長い歴史があります。
カレンダーの赤い日を「お休みの日」として過ごすだけでなく、そこに込められた意味を少し意識することで、より充実した一日になるかもしれません。